より長く花を楽しむために(シクラメン購入後のケアについて)
置き場
冬は室内のなるべく明るい窓辺などがよいでしょう。昼間の温度はある程度高くても平気ですが、夜温は5~10℃ぐらいの比較的低温の場所で観賞するほうが長く美しさを保ちます。春から秋までの生育適温は最低温度が15℃前後です。
水やり
基本は、鉢土の表面が乾いたら、たっぷり鉢底から流れるように与えます。
底面給水鉢の場合、底の水入れに水が切れないようにします。ただ、余分な肥料分が上部にたまりやすいので、1か月に1回は鉢の上部からたっぷりと水を与え、余分な肥料分などを流します。
肥料
シクラメンは比較的肥料を好みます。肥料が切れると、葉色が黄色っぽくなったり花が小さくなったりするので、月2回ほど液体肥料を規定の濃度に薄めて施します。
ただし、施しすぎは灰色かび病など病気の原因ともなるので、特に購入直後は控えめにします。
植え替え
鉢の用土は半年もすると、おおむね根詰まりを起こしたり肥料バランスをくずしたりしています。ひと冬観賞したシクラメンは、春と秋の2回、植え替えるとよいでしょう。比軟的生育がよい場合は、一回り大きな鉢に植え替えます。土は清潔な市販の草花用培養土8に良質の腐葉土2の割合です。水はけをよくするため、これに黒曜石パーフイトを1割加えてもよいでしょう。
夏越しの方法
休眠法と非休眠法の2つがあります。
【休眠法】
原生地では、夏は雨が少なく高温のため、葉を落として球根だけの姿で夏を越し、秋になり雨が降りだすと葉を展開して活動を再開します。このリズムに合わせたのが休眠法です。一般的には梅雨入りごろから、雨の当たらない場所で水やりをやめて乾燥させます。水やりは9月に入り、暑さが和らいでから再開します。秋の植え替えは、水やりを再開する前に行います。
【非休眠法】
日本の夏は雨が多いだけでなく空気中の湿度も高いため、水を切って強制
的に休眠させると腐敗してしまうことも珍しくありません。休眠中うっかり雨に当てると、かえって枯死させる原因ともなります。そこで、なるべく涼しく風通しのよい場所を選び、春までと同様に水をやりながら夏越しさせるのが非休眠法です。夏の間は肥料は施しません。9月に入り、暑さが一段落したら植え替えを行うのは休眠法と同じです。新しい葉が出てくるのにともなって古い葉を取り除くと葉の大きさがそろい、美しい姿になります。
【参考】 趣味の園芸 2009年12月号